UI/UXをディレクションするとき、色彩とアクセシビリティの資格が効いた
PdMがデザインの専門家になる必要はありません。ただ、好みの議論に逃げない言語は持っておきたいと思い、色彩とアクセシビリティの学習に取り組みました。WCAG 2.1 では、テキストと背景のコントラストに最低限の基準が示されます(W3C)。現場で効いたのは、正解を独断する力ではなく、判断の根拠を共有できることです。本稿は、デザイナー・エンジニアとの会話が速くなったポイントのメモです。 会議で「なんか見づらい」が出た瞬間、PdMが黙ると好みの殴り合いに落ちやすい。デザインの専門家になる必要はない。好みの議論に逃げない言語だけは欲しい——そう思い、色彩とアクセシビリティの学習に取り組みました。
資格試験を宣伝したいわけではありません。いちばん見たくないのは、学んできた側の手でa11yが正義の棍棒に化ける光景です。WCAG 2.1 では、テキストと背景のコントラストに最低限の基準が示されます(W3C)。現場で効いたのは、正解を独断する力ではなく、判断の根拠を共有できることです。
資格がくれたのは「権威」ではなく語彙
私は配色を決めません。決めるのはデザイナーです。ただ、トレードオフの軸は一緒に言語化したい。
コントラストの会議を、好みにしない
届いていないなら、色を変えるか、テキストの役割を変えるか。二択に落とすと会議が進みます。
トークンとテーマ
「この色、どのトークン?」と聞くようにしました。トークンがないなら、暫定でも名前をつける。
フォーカスとキーボード
主要フローをTab キーだけで通す試験を、リリース前の一週だけでも入れました。
正しさで圧をかけない
「いまのリリースで守るライン」と「次で伸ばすライン」を分けて書き、前に進んだ事実を先に認めました。
まとめ
正しさの棍棒は短距離で効く。チームは長距離で離れる。
アクセシビリティは押し付けじゃない。体験の設計だ。色彩の学習は美意識より、会議の単位を揃えるほうに効いた。コントラスト、役割、トークン、テーマ。単語が揃うと、デザイナーとエンジニアのあいだを行き来する速度が上がる。
主要画面を一つだけ。主要テキストと背景をコントラストチェッカーに通す。数字が出ると、好みの議論は一段静かになる。資格の名前を出す前に、トークン名とコントラスト比を口にできるか——そこまで落ちたら、もう戦争ではなく、設計の話になる。
仕上げのための自問(現場メモ)
記事にするほどではないが、私が自分用に残している自問です。全部に答えなくてよいです。
いまの議論は、次の一週間の行動に落ちるか
落ちないなら、まだ抽象度が高い。
反対意見を一行で言語化できるか
言えない反対は、ただの不安であることが多いです。
休む予定を入れたか
持続可能性はスローガンではなく、カレンダーの実装です。
参考・出典
- W3C, Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.1, https://www.w3.org/TR/WCAG21/ (参照: 2026-04-06)
- W3C WAI, Understanding Success Criterion 1.4.3: Contrast (Minimum), https://www.w3.org/WAI/WCAG21/Understanding/contrast-minimum.html (参照: 2026-04-06)
- W3C WAI, Understanding Success Criterion 1.4.6: Contrast (Enhanced), https://www.w3.org/WAI/WCAG21/Understanding/contrast-enhanced.html (参照: 2026-04-06)